(c)Argonauts/MOONSTONE
パケ絵の彼女に一目惚れして予約し、内容にも惹かれ再三遊んでいた本作。
ここらで一度まとまった感想を残しておきたくなったので、3月末にシリーズ最終作とまとめパックが出る前にちょろっと記事を書きました。
ヒロインの「天宮芽衣子(CV:星空ユメ)」ちゃん、余りにも好き。
抜きゲーとしては勿論、主人公とヒロインの1:1の(恋/成長)物語としても非常に胸に迫るものがありました。
空っぽの人間同士がお互いを通してそれに気付き、惹かれ合う内に空っぽでなくなっていく=意思を獲得する過程が良かったです。
トゥルーエンドに至るまでの過程と、二人が”したいこと”をしたラストがとても刺さりました。
それだけにそれを成し遂げられなかった愛人エンドには心を抉られましたが、その胸の痛い感じもまた好きです。
比較的ヒロイン視点の独白が多かったりH中にもたびたびヒロイン視点が描かれたりで、早くからヒロインへの愛着形成や内面の理解がしやすかったのも推しポイント。
主人公に惹かれていく過程も追いやすく、「智哉と芽衣子」という二人(カップル)を応援したい気持ちが湧きました。
抜き要素つよめで愛人に売られる子をソフトに調教しつつじっくり愛を育めて、選択肢次第で好きな子のヒーローになれるゲームがやりたい方はぜひ。
「身体を重ねるところから始まり徐々に心も重ねていく」タイプのシナリオが好きなら刺さるんじゃないかなと思います。
(逆に、無理やり堕とすようなハードな調教/愛人とのHシーンを主に求めている方や、恋愛要素は不要という方には合わないかと)
☆公式サイト:
argonauts-soft.com
☆主題歌「透明少女」/HiveSixRecords 歌唱:今野千聡
☆製品概要/主要スタッフ(人名は敬称略)
☆公式のあらすじ
そこは、小高い丘の上に作られた、聖別された世界。
キリスト教の精神に基づく道徳教育が取り入れられた、
名門の女子校として知られていた。
俗世から遠く隔たった空間で、少女たちは穢れを知らずに育っていく…。
だがそれは、表の顔に過ぎなかった。
裏では、大がかりな''愛人売春組織''を運営していたのだった。
あなた(主人公)は、聖エミリア女学院にいる、たった一人の男子。
普段は女装をしてシスターの格好をしているが、
あなたの仕事は、神に仕えること──ではありません。
売られていく美少女を、愛人好みの娼女へと調教する。
仕事に徹して、最後には少女を''出荷''するのか?
それとも、肌を重ねるうち、情が移ってしまうか…?
それを決めるのはあなたです。
そして、淫欲にまみれた世界で、性愛の果てにあなたが目にする真実とは…?
(公式サイトより)
☆シーン数、CG枚数、エンド数(微ネタバレ)
・主人公と:18枠/愛人と:1枠/その他凌辱:1枠
・本番有:12枠(主人公と10枠)/前戯系:8枠(キスのみ2枠、フェラ等6枠)
*挿入は毎回別のCG(使い回し無し)で体位も豊富。
*回想には含まれませんが、冒頭に九津見と致す場面があります。
*一枠の中で体位を変えて二回戦したり一枠内で前戯数種/前戯→本番に移行しているものも多いので、枠数は参考程度に。尺は十分。
■CG枚数(差分含まず):36枚
*うちメインヒロインのHCG:21枚/シスター九津見のHCG:2枚/非HCG:13枚
■エンド数:3
・愛人エンド(BAD)
・凌辱エンド(BAD)
・トゥルーエンド
主人公とのH(調教)に関しては「フェラなど性的な技巧を教える」「性感帯を開発する/体を慣らす」感じで、調教としてはだいぶソフト。
選択肢関係なくお互い惹かれていく/選択肢次第で主人公以外とは一切Hしないまま終わることもあるので、「愛人っぽいシチュのエロシーン(ローション系)が見たい」「愛人として売られていきそうな可愛い子と愛を育みたい、救いたい」人向け。
フェラ等の前戯も多めで、精飲とお掃除フェラにそれ専用のCGがあるのが良かったです。卑語も少し有(オチ〇チン、オチ〇ポ、オマ〇コ/無修正)。裸立ち絵有。
追記で詳細な感想とか。主に各エンドやそこへ至るまでの選択肢について、自分の解釈をこちゃこちゃ書いています。
(三部作としての)致命的なネタバレになりそうな部分は伏せていますが、それでも作品単体についてネタバレを含みます。また、あくまで個人の感想・解釈です。
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目次
- ☆主観による人物紹介と微ネタバレあらすじ
- ☆「空の少女」と「空の少年」/エンド分岐の話
- ☆「したいことをする」物語/トゥルーエンドの話
- ☆「たったひとり」と、「大勢の中のひとり」/愛人エンドの話
- ☆余談
- ☆まとめのダイマ
☆主観による人物紹介と微ネタバレあらすじ
主人公の「智哉(シスター依子)」は、聖エミリア女学院唯一の男子として上司のシスター九津見に言われるがまま、愛人として売られていく少女に性調教をほどこして暮らしています。
来る日も来る日も雑用と裏の仕事の繰り返しですが、その連鎖から抜け出そうという意志は彼にはありません。
1年以上前の記憶が定かでなくどうして/いつから自分が学園にいるのかも分かっていない彼は学園外への外出の一切を禁じられていますが、それについて疑問をもつことすらなく流されるように日々を暮らしていました。
智哉は基本的に淡々としていますが、それは「自己」が希薄であり曖昧、また自己の感情に無頓着で外部に対して無知であるという、(性的な成熟とは裏腹な)精神的な未成熟さからきていると考えられます。
彼は「自分が」したいからという理由でなにかをすることもなければ 自分が何者か自主的に知ろうとすることもない、 主体性に欠けた自己主張の薄い人間です。
ゆえにシスター九津見に調教用の人間バイブのように扱われても反発しませんし、勃起や中出しすら仕事だから/命令だからする、できるという有様でした。
これまで売られていった女の子の境遇や心境を考えることもなく、また同居人の「御園愛美璃」以外に 彼の境遇や心境を気にするような女の子も過去にはいません。
そんな彼が今回調教することになる「天宮芽衣子」は、 心身ともに健康でも働く気の全くない親(九津見曰く「筋金入りの無職オブ無職」)が、遊びで作った借金を返すため愛人として金持ちのオジサマに売られることを同意しました。
それは親の説得や脅しに押し切られた、状況に流されただけのものであり、そこに彼女の「自分が」こうしたいという意思はありません。
愛人のオジサマに売られていくことや、調教を受けることに忌避感はあれど、また流されるようにして調教を受けていきます。
芽衣子は調教前から智哉の表向きの姿である「シスター依子」に淡い憧れを抱いており、 彼の正体を知り、また彼の仕事を目の当たりにして一度は愕然とするものの、身体を重ね言葉も重ねていくうちに「智哉」である彼個人にも興味を持ちます。
そうして自分のことをあれこれ聞かれるうち、 智哉もまた芽衣子という個人に惹かれていき、 「調教」を抜きにしても彼女と交流を持ちたい、彼女と身体を重ねたいと考えるようになります。
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☆「空の少女」と「空の少年」/エンド分岐の話
どうして流されてしまうのか。 どうして流されることに抵抗しないのか。 どうして、自分の置かれた状況に疑問を持たずにいられるのか。
作中に、「自分というものがないから」「したいことがないから」、つまりは「空っぽ」だからたやすく流されてしまう、という旨のセリフがあります。
物語開始時の芽衣子はタイトル通り「空の少女」であり、 智哉もまた「空の少年」と言えるでしょう。
「自分とはむしろ外部(他者)が定義するもの」という作中の言葉通り、 二人はお互いを通して自分を見つめ、自分の意志を手に入れていくことになります。(芽衣子という他者を智哉が意識するきっかけが シスター依子の本当の「名前」=自分を定義する一番最初の枠組みを聞く、というのもそのはじまりらしくて好きです)
空の少女と少年が、「空っぽ」でない何かになれるかどうか。 特別な誰かを見つけ誰かの特別になり、したいことをして、自分で運命を変えようとする存在になれるかどうか。
それはトゥルーエンドとBADエンドの分かれ目でもあり、 BADの1つである愛人エンドが「BAD」扱いというのも単に彼女の不幸な境遇の話だけでなく、 芽衣子も智哉も「空っぽ」のままで終わってしまうことをBADと称しているようにも思えます。
もう1つのBADエンドも、凌辱以外に智哉が覚醒しきる前に決着がついた =智哉が空っぽから脱出しきる機会を逃したまま終わったからこそのBADとも取れます。
トゥルーへ行く最後の分岐である「先に攻撃する」について、 智哉は「(シスター九津見に)ヒーローになろうとするなと言われたから、なろうとした」 と語っています。
先に攻撃することの結果的な有効性以上に、 シスター九津見=今まで自らが流されてきた運命を形作った人物に反発する、という意味がこの選択肢から感じられました。(ちなみにもう一方は「逃げる」)
ヒーローには物語の主人公という意味もあり、また物語の主人公は多くの場合最終的に主体性や勇気を手に入れる存在です。
そんな存在になろうとすることは自らの人生を自らで生きようとすること、主体性を持ち運命を切り開こうとすることであり、 結果芽衣子を学園の外に逃がし運命から救い出すことに成功します。
また主体性を手に入れたことで智哉は一度は出た学園へ戻り、学園のことや自らのことももっと知っていこうと考えました。
智哉と芽衣子を閉じ込める学園は、二人を押し流す「運命」の象徴にも思えます。
そこから脱出し自ら運命を切り開いて行こうとするか否かが、BADとトゥルーの分かれ道です。
覚醒したトゥルールートの智哉は珍しく熱くなったり追っ手を倒したり、特別な女の子のために身を賭したりとなかなか「主人公」らしくて格好良く、随分と物語の、また芽衣子の「ヒーロー」っぽい感じで好きです。(自分が好きな子のヒーロー願望持ちなのもあり、テンションが上がりました)
共に逃げようとした時点で十分に智也は能動的であり、運命を切り開こうという意志が感じられます。けれど誰かのしたいことに乗る形でなく、智哉が自発的に「流れから脱しようと」したのは、トゥルーへ至る分岐で智哉が「ヒーロー=(自分の物語の)主人公」になってから――約束を守りたいと言ったとき、「今したいことをしている」と言ったときなのではないかと思っています。
主体性を獲得し始めた二人が「流されるだけの存在」を抜け出すための最後の障害/足掛かりとして学園の暗部が牙を剥くあの展開は必然的であり、あれを目の当たりにしても折れず諦めず「したいこと」をやり通せたからこそ、二人は学園=運命の流れから逃げる/対抗する力を確かなものにできたのではないか…というのが自分の考えです。
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☆「したいことをする」物語/トゥルーエンドの話
自分はこの作品を、 空っぽの人間同士が互いに惹かれあううちに「自分のしたいこと」を見つけ、「したいこと」をできるようになるまでの 物語だと思っています。(三部作通してで言えば、おそらく智哉が「変わる」ための物語)
智哉にどれだけ惹かれても、智哉に交流を保ちたいと言われても、「むこうはあくまで仕事だから」「もう決まったことだから」と 芽衣子はあくまで流されるまま愛人として売られていこうとします。
智哉にとっての自分は「自分は大勢の中のひとり」に過ぎず、自分がいるのは「列の最後尾」でしかないと芽衣子は考えていました。
変化し出している智哉に気づいた愛美璃に「智哉のことをどう思っているのか」と聞かれても、 芽衣子は「自分がどう思っているかなんて関係ない(全て決まっていることだから)」と返します。
それでも「智哉にとって芽衣子は特別なのではないか」「したいことをするのが一番ではないか」という愛美璃の言葉や、 芽衣子を特別だと仄めかすような智哉の言動に芽衣子は勇気を振り絞り、「二人でこの学園から逃げないか」と誘うまでになります。
運命を受け入れ流されていた当初の彼女からすれば大きな成長であり、 誘いを受けることを選んだトゥルールートの智哉もまた当初の彼とは大きく変わっています。
トゥルールートの二人は、相手が自分にとって特別な「ただひとり」であり、また相手は「自分を特別だと言ってくれる」相手です。
自分の存在を確かに認め、愛してくれる相手です。 その相手がいるからこそ、「したいこと」を見失わずいられるのではないでしょうか。
愛美璃の「したいことをすればいいと思う」というセリフを受け、 芽衣子が「大事なことはしたいことをすること」と気づき、それに感化された智哉が「したいと思うことする」という、意志のバトンのような一連の流れがとても好きです。
愛美璃はそういう意味でも物語になくてはならない存在であり、「したいことをして」いる子です。
智哉と一緒に居たいから居て、智哉に幸せになってほしいから芽衣子に「それでいいのか」と意志の確認をして、智哉にも「黙っていれば芽衣子は売られていく」と能動的に動くことを勧めてくれます。
彼女の心中や動機には謎が多いですが、少なくとも「自分が」智哉に幸せになってほしいという意味である程度主体的に見え、今作の芽衣子や智哉から見ればお手本のような女の子です。
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☆「たったひとり」と、「大勢の中のひとり」/愛人エンドの話
BADの1つである「愛人へ出荷する」エンドに行くかトゥルーへの切符を手にするかは、二人で学園から逃げようという芽衣子の提案を受け入れるか受け入れないかで決まります。
シスター九津見を欺いて交流を保つのは難しいから 愛人の元へ渡ったらもう会わないほうがいい、と智哉は 事前に芽衣子に話しています。
ただ愛人になることを回避するだけでなく今後も智哉との交流を保つには、 二人で逃げるしか芽衣子に考えられる道はありません。
学園に軟禁されている智哉を案じたのも本音でしょうが、芽衣子の誘いには「特別な」相手、好きな相手と一緒にいたいという思いが伺えます。
それに智哉が賛同するかどうかというのは、仕事が終わっても/周りが望まなくとも 「智哉が」芽衣子と一緒にいたいと(芽衣子を特別だと)思ってくれているのか、芽衣子といるために「智哉の意志で」二人で流されるままの自分を辞めて学園という檻から逃げてくれるのか、という意味が(芽衣子にとっては)あったのではないでしょうか。
共に逃げないことを選ぶと、芽衣子は自分が智哉の特別になれなかった、結局「大勢の中のひとり」に過ぎなかったと失望し、したかったことがわからなくなり学園から逃げる気力をなくしてしまいます。
このあたりの「自分は大勢の中のひとりに過ぎない」という芽衣子のセリフは、CVの方の演技もありなかなか胸に迫るものがありました。
相手の特別な存在=「ただひとり」になれない、価値を認められず個の輪郭を捉えてもらえない人間は、少なくとも本人の主観的には「相手にとっていてもいなくてもいい」人間であり、互いにとって「透明」で「空っぽ(空虚)」な人間なのではないでしょうか。(元々家庭環境もあり自己肯定感の低そうな子なので、尚更「特別」という言葉は彼女にとって重いのかもしれません)
そんなに嫌ならと智哉が勧めた媚薬を試すための最後の行為から、そのあと愛人の元へ彼女を送った(一応芽衣子も学園には在籍していますが)場面まで、彼女視点でのモノローグは一切入りません。ひたすら智哉視点での芽衣子を見ることになります。
今までのHシーンやその合間の回想で彼女の心境を見、その時々の彼女に共感や同情を抱いていた自分は、ここで彼女に突き放されたように思えました。
前後の流れや行為中の様子から、智哉の特別になれずやけになったことはわかっても、その最中で彼女が感じていた心の空虚さや悲しみが言葉でプレイヤーに語られることはありません。
自分の感情を自分で捉えられない智哉よりも 芽衣子のほうが(独白が多い作品なのもあり)心境がわかる場面も多く、芽衣子を通して「捉えどころのない」少年を見ていた場面もあります。
「語り部」という意味でもう一人の主人公の感もあった芽衣子がここで急に遠く感じ、芽衣子と智哉の間の「空白」を 突き付けられ、初回プレイ時はけっこうなショックを受けました。
愛人のもとへ送られた自分の身体は愛人に馴染んで愛人専用になり、今のように積極的に腰を振るようになるだろう、という旨のことを芽衣子は言います。
セックスする「くらい」どうってことないのだと。
智哉だからしたいわけでも、智哉だからするわけでもない。
それは「特別になれなかった」ことへの仕返し/意趣返しに、智哉が自分の「特別」であることを否定しているようでもあります。(トゥルーで「貴方だから」と言うのとは対比的)
智哉も「貪欲に僕の性器を求めている」という言葉を言いかけた途中で 「男の性器を」と言い直しており、少なくとも智哉から見て その時の芽衣子が求めていたのは「智哉」でなく「男」だったのでしょう。
少なくとも、お互い相手のただひとりには「なれなかった」と思っているだろうエンドです。
その時点で、二人は空っぽから脱するだけの力を失くします。
トゥルーの二人は相手が特別な存在となったからこそ「したいこと」を手にし、 相手の特別な存在になれたからこそ「したいこと」をやり遂げられたのだと思います。
「自分は大勢の中のひとりに過ぎない」と嘆いた芽衣子を忘れられない 智哉が、そのときの芽衣子の気持ちを知ることはありません。
シスター九津見に言われるがまま次の商品の女の子を待つ智哉に「したいこと」はないのでしょう。
今でもたまに礼拝堂を訪れ智哉と挨拶を交わす芽衣子にとって智哉が何者であるのか、智哉にもプレイヤーにも知る術はありません。(情がないから顔を合わせられるとも取れるし、内心では寂寥くらいは感じているのではとも期待できるいい塩梅。こちら視点で希望を捨てきれないあたりが、また胸に刺さります)
最後の芽衣子視点での愛人との行為でもそこに至るまでの彼女の心理や智哉への想いは語られず、「元が空っぽだったから簡単に何色にでも染まる」彼女が「堕ちて」しまったことがわかるのみです。
ここでの彼女は主体的に何かを選択しているようにも思えますが、結局はやけになるまま流されるままに堕ちているのではないかとも思えます。
少なくとも一番「したかった」ことを諦めた先の結末であるのは確かでしょう。
誘いを断られた芽衣子の悲壮感に満ちた様子といい、智哉に愛人の話をされるのを嫌がった芽衣子が積極的に愛人の話をすることといい、最後の距離感も含めて非常に心にくるこのエンド。
しかしそれだけにまた対比的なトゥルーエンドの重みが増し、 この作品や天宮芽衣子というヒロインについてあれこれ考えることができるので、自分はこの愛人エンドがけっこう好きです。(けど辛いので一回見たら絶対トゥルーも読み返します)
他、選択肢直後の「好きだったのは私だけ」感も性癖に刺さりました。
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☆余談
全体の構成やギミック・世界観やキャラの設定という骨組みは勿論のこと、細かい会話による心のやりとりや、トゥルーエンド等シリアスなシーンでのライターさん(灰瞑さん)の言葉選びが私は大好きです。
二人の逃亡劇の、静かながらも熱のある文章も良い。
天宮芽衣子ちゃんは可愛い。幸せになってほしい。Hシーンも初心でえっちでたびたびいじらしくて最高でした。
甘やかされて嬉しくなっちゃうのが可愛い。惹かれるほどにキス魔っぽくなるのも可愛い。甘いようで浮つききれない塩梅が良い。
あと、芽衣子の中で「憧れ→失望→興味→好意」という、プラス→マイナス→プラス系の好感度の変化をするのが個人的にツボでした。
言うなれば、シスター依子でなく「智哉」を見るようになる過程と結果。
そのために必要なプロセスである、失望する前後の流れと文章も非常に刺さりました。
トゥルー最後の芽衣子の独白シーンが爽やかながらもどこか切なく、けれど希望のある感じでとても好きです。
別れる前にちょっと勇気を振り絞ったところで胸が熱くなりました。三作目で再会できるのを楽しみにしています。
どちらかが一方的に引っ張り上げてもらうのでなく、双方がお互いの輪郭を明らかにしてお互いの「したいこと」になる。
そうして二人で空っぽでなくなっていくからこそ、何度もプレイして話題にするほど自分の心に刺さったのだと思います。
二人がお互いに「したいこと」を見つけるまでの心と身体の積み重ねが、「したいこと」をし始めてからの盛り上がりが、必死で足掻いて自分が「したいこと」をやり遂げた、智哉と芽衣子という「空っぽだった少年少女」とその物語の結末が大好きです。
一番好きなシーンは、多分最後の三段割りCGの場面。演出も込みで大変格好良い。
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☆まとめのダイマ
この記事を書いたおかげで、今一度「空の少女」というゲームの良さ、天宮芽衣子という女の子の可愛さに向き合うことができました。
「三部作通しで展開される物語」についてはある程度ネタバレを避けたので、 これを見て興味を持つ方がいらっしゃればぜひ買って遊んでください。
自分は二作目もプレイ済ですが、一作目を経て少し成長し、また二作目で更なる変化を遂げる智哉を見て嬉しくなりました。
二作目ヒロインの詩鶴(勝気なアイドル)も 三作目ヒロインの愛美璃(母性的な主人公のお世話係)もとても可愛いので、公式サイトを見てその二人が気になった方も何卒よろしくお願いします。
シリーズ最終作「聖の少女」は2021/3/26(金)発売予定とのこと。バラ×3と多分同額(定価で)のまとめパックも出ます。
まとめでもバラでも読めるエピソードに差異はないので、買いやすさなりパケ絵の好みなりでお好きなほうをどうぞ。